直角条件→座標をとる / 2018 京都大学・文系 第2問

問題

1 辺の長さが 1 の正方形 ABCD において,辺 BC 上に B とは異なる点 P を取り,線分 AP の垂直 2 等分線が辺 AB,辺 AD またはその延長と交わる点をそれぞれ Q,R とする。

(1) 線分 Q Rの長さを  \sin \angle\mathrm{BAP} を用いて表せ。

(2) 点 P が動くときの線分 QR の長さの最小値を求めよ。

解説の pdf も作りました。きれいなレイアウトで読みたい方はこちらをどうぞ。

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座標をとろう

AP の中点を M とおいて  \angle\mathrm{BAP}=\theta とおきます。
直交条件をいかすために座標をとりましょう。
私は最初左下のような図を描きましたが,右下のように描きなおしました。

f:id:variee:20211224012314p:plain

(1)について

 \mathrm{P}(1,\, \tan\theta) より  \mathrm{M}\left(\frac{1}{2},\, \frac{1}{2}\tan\theta\right) です。直線 QR の方程式は次のようになります。

 y=-\frac{1}{\tan\theta}\left(x-\frac{1}{2}\right)+\frac{1}{2}\tan\theta

 y=0 とおいて Q の  x 座標  x_{\mathrm{Q}} を求めます。

 x_{\mathrm{Q}}=\frac{1}{2}(1+\tan^2\theta)=\frac{1}{2\cos^2\theta}

直線 QR の傾きと Q, R の  x 座標から QR の長さが求められます。
 \theta のまま計算を進めていって最後に  \angle\mathrm{BAP} に直します。

\begin{align*}
\mathrm{QR} &=\sqrt{1+\left(-\frac{1}{\tan\theta}\right)^2}\, |\, x_{\mathrm{Q}}-x_{\mathrm{R}}\, |\\
&=\sqrt{\frac{1}{\sin^2\theta}} \cdot \frac{1}{2\cos^2\theta}
=\frac{1}{2\sin\theta(1-\sin^2\theta)}\quad (\because \sin\theta>0)\\[3pt]
&=\frac{1}{2\sin\angle\mathrm{BAP}(1-\sin^2\angle\mathrm{BAP})}
\end{align*}

(2)について

(2)はまず「カタマリを文字でおく」です。 \sin\angle\mathrm{BAP}=x とおきます。

図より  0< \theta< \frac{\pi}{4} なので  0< x< \frac{1}{\sqrt{2}} です。
QR の分母を  f(x) とおきます。

 f(x)=2x(1-x^2)=2(x-x^3)

これは正なので QR が最小になるのは  f(x) が最大のときです。微分してその値を求めます。

 f'(x)=2(1-3x^2) から増減表は次のようになります。

f:id:variee:20211224012337p:plain

QR の最小値は  \dfrac{1}{f\left(\frac{1}{\sqrt{3}}\right)}=\dfrac{3\sqrt{3}}{4} です。


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