問題概略
3 つの異なる整数 , , があります。この 3 つの整数は次の条件をみたします。
- (条件1) と の公約数を小さい方から並べると 5 番目が 14
- (条件2) と の公約数を小さい方から並べると 5 番目が 15
- (条件3), , の最小公倍数は 2100
の値を求めてください。
解説の pdf も作りました。きれいなレイアウトで読みたい方はこちらをどうぞ。
指数に注目
なので , , に含まれる素数は 2, 3, 5, 7 だけです。
これらの指数に注目して解きます。ちょっと大げさかもしれませんが,次のようにおきます。
\begin{align*}
a &=2^{k_1}\times 3^{l_1}\times 5^{m_1}\times 7^{n_1}\\
b &=2^{k_2}\times 3^{l_2}\times 5^{m_2}\times 7^{n_2}\\
c &=2^{k_3}\times 3^{l_3}\times 5^{m_3}\times 7^{n_3}
\end{align*}
条件 3 は次のように表せます。
\begin{align*}
&\max\left\{k_1,\, k_2,\, k_3\right\}=2,\,
\max\left\{l_1,\, l_2,\, l_3\right\}=1,\, \\
&\max\left\{m_1,\, m_2,\, m_3\right\}=2,\,
\max\left\{n_1,\, n_2,\, n_3\right\}=1\mbox{ ……(A)}
\end{align*}
条件1, 2の言い換え
条件1について
の約数は 1, 2, 7, 14 なので と の公約数の最初の 5 個は の形に書けて, には 3 か 4 か 5 が入ります。
- のとき になって,14 は 6 番目なので不適
- のとき になって条件をみたす
- のとき になって,14 は 6 番目なので不適
と の公約数を小さい方から順に並べると となるので,条件 1 は次のように表せます。
\begin{align*}
&k_1=k_2=2,\, \min\left\{l_1,\, l_2\right\}=0,\,
\min\left\{m_1,\, m_2\right\}=0,\,
n_1=n_2=1\mbox{ ……(B)}
\end{align*}
条件2について
条件 2 についても同様に考えると, と の公約数の最初の 5 個は 1, 3, 5, 7, 15 だとわかります。
これを指数の条件に直すと次のようになります。
\begin{align*}
&\min\left\{k_2,\, k_3\right\}=0,\,
l_2=l_3=1,\, \min\left\{m_2,\, m_3\right\}\geqq 1,\,
n_2=n_3=1\mbox{ ……(C)}
\end{align*}
, の条件が でないのは でもかまわないからです。
この場合, と の公約数は になって条件をみたします。
3数の決定
(A)~(C)で指数はほぼ決まります。
- ,
- ,
- で
の値は の「28」です。
オマケとして も書いておきます。
\begin{align*}
(28,\, 420,\, 525),\, (28,\, 2100,\, 105), (28,\, 2100,\, 525)
\end{align*}