問題
を正の整数とする。, は に関する方程式 の 2 つの解で, であるとする。
(1) すべての正の整数 に対し, は整数であり,さらに偶数であることを証明せよ。
(2) 極限 を求めよ。
解説の pdf も作りました。きれいなレイアウトで読みたい方はこちらをどうぞ。
漸化式を立てる
漸化式の導き方2つ
(1)は の漸化式を使って証明します。漸化式は特性方程式を使うと楽に導けます。
は の解なので をみたします。これに をかけます。
同様に が成立して,これらを足すと の漸化式になります。
他に恒等式を使う方法もあります。
をもとに を作れと言われたら に をかけるのが自然でしょう。これで生じた余計な項を の形の項であらわします。
解と係数の関係 , を使って整理するとできあがりです。
偶数であることの証明
証明に入りましょう。まず(B)を使って と を求めます。
と は整数で漸化式の係数はすべて整数なので はすべて整数です。
以下, で考えます。(A)(C)より
がすべての に対して成立して はすべて偶数です。証明終。
β の式に直して公式を使う
(2)は(1)を利用するはずです。
が の偶数倍だということを使って の式に直します。
から
を使うと の形を作れます。
から
あとは が言えれば が使えます。
これは と から簡単に示せます。
で なので(E)が言えます。
(D)(E)より求める極限は です。