問題概略
次の問に答えよ。
(1) を計算し,2 重根号を用いない形で表せ。
(2) とするとき,
整数係数の 4 次多項式 で となるもののうち,
の係数が 1 であるものを求めよ。
(3) 8 つの実数
(ただし,複号 はすべての可能性にわたる)の中で,
(2)で求めた に対して方程式 の解となるものをすべて求めよ。
解説の pdf も作りました。きれいなレイアウトで読みたい方はこちらをどうぞ。
(1)(2)は計算あるのみ
(1)は計算するだけですが,同じ式を何度も書くのは嫌なのでカタマリを文字でおきます。
, とおきます。
対称性を意識して変形しましょう。
(2)は 2 回平方してルートを消します。まず を平方。
\begin{align*}
&(\alpha-\sqrt{13})^2=(p+q)^2=18+2\sqrt{13}\mbox{ ……(A)}\\
&\Leftrightarrow \alpha^2-2\sqrt{13}\alpha+13=18+2\sqrt{13}\\
&\Leftrightarrow \alpha^2-5=2\sqrt{13}(\alpha+1)
\end{align*}
もう 1 回平方します。
を で置き換えてできあがりです。
(3)が本題です
(3)に入ります。
が解であることと(2)}の計算を考えると
も解だということは比較的簡単に見抜けると思います。
とおくと から
これは(A)と同じ形なので が成立します。
も の解です。
2 つの解がわかったので を因数分解できます。
解と係数の関係を使いましょう。
\begin{align*}
&\alpha+\beta=2\sqrt{13}\\
&\alpha\beta=(\sqrt{13})^2-(p+q)^2=13-(18+2\sqrt{13})=-2\sqrt{13}-5
\end{align*}
, は の解です。
この左辺で を割ります。
, 以外の解を , とおきます。これらは
の解です。
解の公式を使って解くと
が(1)の答えと似ていることに注目しましょう。
(C)の二重根号は次のように変形できます。
(C)は となります。これが , です。
の解は次の 4 つです。, のまま書きます。
(3)の補足
4 次方程式の解と係数の関係を使おう
を因数分解するときに 4 次方程式の解と係数の関係が使えます。
の係数から
, を使うと , の和と積がわかります。
2 次方程式の解と係数の関係から , は の解です。
候補はしぼりこめる
与えられた 8 つの値のうち , でないものは次の 6 個です。
\begin{align*}
&x_1=\sqrt{13}+p-q,\, x_2=\sqrt{13}-p+q\\
&x_3=-\sqrt{13}+p+q,\, x_4=-\sqrt{13}+p-q\\
&x_5=-\sqrt{13}-p+q,\, x_6=-\sqrt{13}-p-q
\end{align*}
をみたす組は
しかありません。
積の条件をチェックすると がわかります。
(B)を解く必要はなかったわけです。