問題概略
正の偶数 の相異なる約数を 3 つ選んでそれらの和を求めたところ, のちょうど半分でした。
にはこのような 3 つの約数の選び方が 6 通りあります。 の最小値を求めてください。
解説の pdf も作りました。きれいなレイアウトで読みたい方はこちらをどうぞ。
逆数の和の方程式に直す
の約数として , , を選んだとします。
\begin{align*}
a+b+c=\frac{1}{2}x
\end{align*}
, , は の約数なので をみたす自然数 , , が存在して,上の式は次のように書き直せます。
\begin{align*}
\frac{a}{x}+\frac{b}{x}+\frac{c}{x}=\frac{1}{2}
\quad \therefore \frac{1}{a'}+\frac{1}{b'}+\frac{1}{c'}=\frac{1}{2}
\end{align*}
これはよくあるタイプの方程式です。 のように大小関係を設定すると解けます。
解は次の 6 個で,条件をみたしています。
\begin{align*}
(3,\, 7,\, 42),\, (3,\, 8,\, 24),\, (3,\, 9,\, 18),\,
(3,\, 10,\, 15),\, (4,\, 5,\, 20),\, (4,\, 6,\, 12)
\end{align*}
はこれらの数の公倍数です。最小値を求めたいので最小公倍数を求めましょう。
\begin{align*}
x=2^3\cdot 3^2\cdot 5\cdot 7=2520
\end{align*}
答えは「2520」です。