A以上B未満の素数の個数 / 2022 女子学院中学 第2問

問題

 A,  B を整数として, A 以上  B 未満の素数の個数を  A\,\bigstar\, B で表すとします。


(1)  10\,\bigstar\, 50=\fbox{$\phantom{WW}$}


(2)  (20\,\bigstar\, A) \times (A\,\bigstar\, B) \times (B\,\bigstar\, 50)=9 となる  A,  B の組のうち  A B の和が最も大きくなるのは  A=\fbox{$\phantom{WW}$},  B=\fbox{$\phantom{WW}$}のときです。

解説の pdf も作りました。きれいなレイアウトで読みたい方はこちらをどうぞ。

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(1)は全部書く

(1)は 10 以上 50 未満の素数を全部書くと解けます。
\begin{align*}
11,\, 13,\, 17,\, 19,\, 23,\, 29,\, 31,\, 37,\, 41,\, 43,\, 47
\end{align*}

11 個あるので  10\,\bigstar\, 50={11} です。

(2)はグループ分け

(2)の条件式はなにやら仰々しいですが,これはグループ分けするだけの問題です。

20 以上 50 未満の素数は 23, 29, 31, 37, 41, 43, 47 の 7 個。
これを 3 つのグループに分けます。

  • 20 以上  A 未満
  •  A 以上  B 未満
  •  B 以上 50 未満

各グループに含まれる素数の個数の積が 9 になる  A,  B の組のなかで  A+B が最大のものが答えです。

和が 7 の 3 つの数をかけあわせて 9 を作る方法が次の 3 つしかないことを利用します。
\begin{align*}
9=1\times 3\times 3=3\times 1\times 3=3\times 3\times 1
\end{align*}

これを 23~47 の分割法に直すと次のようになります。

  • (a)  23\, |\, 29,\, 31,\, 37\, |\, 41,\, 43,\, 47
  • (b)  23,\, 29,\, 31\, |\, 37\, |\, 41,\, 43,\, 47
  • (c)  23,\, 29,\, 31\, |\, 37,\, 41,\, 43\, |\, 47

 A,  B の上限をおさえるにあたって  x\,\bigstar\, y の定義が「 x 以上  y 未満の素数の個数」であることに注意してください。(a)のとき  A\leqq 29 かつ  B\leqq 41 です。

「未満」を「以下」と読み間違えると「 A\leqq 23 かつ  B\leqq 37」などとしてしまいそうですが, A,  B はもっと大きい値をとれます。具体的には次のようになります。

  • (a)のとき  A\leqq 29 かつ  B\leqq 41 より  A+B\leqq 70
  • (b)のとき A\leqq 37 かつ  B\leqq 41 より  A+B\leqq 78
  • (c)のとき A\leqq 37 かつ  B\leqq 47 より  A+B\leqq 84

 A+B が最大になるのは  A={37},  B={47} のときです。


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