問題
1 から 250 までの整数が書かれたカードが 1 枚ずつあり,これらは上から 1 のカード,2 のカード,…,250 のカードの順で積まれています。
A さん,B さん,C さん,D さんの 4 人が A→B→C→D→A→B→C→…の順番で次の作業をします。
- 積まれているカードの中で一番上のものを引き,自分の手札にする。
- 自分の手札に書かれている数をすべて合計する。
- その合計が10の倍数になったときだけ自分の手札をすべて捨てる。
この作業を,積まれているカードがなくなるまで繰り返します。
以下の問いに答えなさい。
(1) B さんが引いたカードに書かれた数を,小さい方から順に 7 個書きなさい。
また,B さんが最初に手札を捨てることになるのは,何の数のカードを引いたときか答えなさい。
(2) A さんが最初に手札を捨てることになるのは,何の数のカードを引いたときか答えなさい。
(3) ある人が作業をした直後,手札がある人は 1 人もいませんでした。
初めてこのようになるのは誰が何のカードを引いたときか答えなさい。
(4) ある人が作業をした直後,4 人全員がそれぞれ 1 枚以上の手札を持っていました。
このようになるのは,250 回の作業のうち何回あるか答えなさい。
解説の pdf も作りました。きれいなレイアウトで読みたい方はこちらをどうぞ。
解答
(1) これは「実験しなさい」という問題ですね。指示通り最初の 7 個を全部書いて調べます。
7 個の数は「」で,最初に手札を捨てるのは「」を引いたときです。
この表から周期性がわかります。
- B が引くカードの数を 10 で割った余りは「2, 6, 0, 4, 8」を繰り返す
- 和を 10 で割った余りは「2, 8, 8, 2, 0」を繰り返す
この作業の参加人数は 4 人で,和が 10 の倍数になったら手札を全部捨てるルールです。
4 と 10 の最小公倍数は 20。B が引くカードの数もその和も周期 5 になるのは だから,と考えると納得がいくと思います。
(2) これも実験です。(3)(4)のことも考えて周期が見えるところまで書きます。
A さんが最初に手札を捨てるのは「」を引いたときです。
はじめカードの数の和は 0 だったので,表の「和を 10 で割った余り」が「0」から「1 枚目のときの値」に切り替わるところに注目すると周期がわかります。
A さんの和を 10 で割った余りは周期 10 です。
(3) C さん,D さんについて調べましょう。
C さんの和を 10 で割った余りは周期 10 です。
D さんの和を 10 で割った余りは周期 5 です。
カードの数字が 40 以下の場合を考えると,手札が 0 枚になるのは次のようなときです。
- A さん:29~32, 37~40
- B さん:1, 18~21, 38~40
- C さん:1~2, 7~10, 39~40
- D さん:1~3, 16~23,36~40
これらすべてに含まれる数の最小値を求めて答えは「」です。
(4) 「全員が 1 枚以上」は「全員が 0 枚」の余事象です。(3)で書き出した数のリストが使えます。
カードの数字が 40 以下の場合を考えます。全員が手札を 1 枚以上もっているのは数字が次のようになるときで 16 通りあります。
\begin{align*}
4,\, 5,\, 6,\, 11,\, 12,\, 13,\, 14,\, 15,\, 24,\, 25,\, 26,\, 27,\, 28,\, 33,\, 34,\, 35
\end{align*}
10 以下に限定すると 3 通りです。
より求める回数は で得られる「 回」です。