429を連続する自然数の和で表す /「算数にチャレンジ!!」第1167問

問題概略

ある整数を連続する 2 個以上の自然数の和で表す方法が何通りあるか考えます。
たとえば 30 は「 9+10+11」「 4+5+6+7+8」「 6+7+8+9」の 3 通りの方法があります。
429 は何通りの方法があるでしょうか。

http://www.sansu.org/used-html/index1167.html

解説の pdf も作りました。きれいなレイアウトで読みたい方はこちらをどうぞ。

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積=一定の形に直す

 a から  b までの和が 429 だとします。
 \frac{a+b}{2}(b-a+1)=429 より

 (a+b)(b-a+1)=858=2\cdot 3\cdot 11\cdot 13

 a+b>b-a+1\geqq 1+1=2 より  (a+b,\, b-a+1) は次の 7 通り考えられます。

 (33,\, 26),\, (39,\, 22),\, (66,\, 13),\, (78,\, 11),\, (143,\, 6),\, (286,\, 3),\, (429,\, 2)

これらはすべて自然数解  (a,\, b) を与えるので答えは「7 通り」です。

ちなみに  (a,\, b) の具体的な値は次のとおりです。

 (4,\, 29),\, (9,\, 30),\, (27,\, 39),\, (34,\, 44),\, (69,\, 74),\, (142,\, 144),\, (214,\, 215)

奇約数を数える

一般に「自然数  n を連続する 2 個以上の自然数の和で表す方法」は「 n の 1 より大きい奇約数の個数」と同じだけあります。
この方法だと  429=3\cdot 11\cdot 13 から  (1+1)^3-1=\text{7個} と答えが出ます。

では,「1 より大きい奇約数の個数と同じ」を証明しましょう。

ア) n=2^m はあらわせないこと

 \frac{a+b}{2}(b-a+1)=2^m とすると

 (a+b)(b-a+1)=2^{m+1}\mbox{ ……(1)}

 (a+b)+(b-a+1)=2b+1 は奇数なので  a+b,  b-a+1 の偶奇は異なります。

しかし, a+b>b-a+1\geqq 1+1=2 より(1)のとき  a+b,  b-a+1 はどちらも  2^k\ (k\geqq 1) の形の数で偶数です。
よって(1)をみたす  (a,\, b) は存在しません。

イ) n=(2k+1)m はあらわせること

 n=(2k+1)m は次のように分解できます。

\begin{align*}
&\underbrace{(m-k)+(m-k+1)+\cdots+(m-1)}_{\text{$k$ 個}}+m \\
&\quad +\underbrace{(m+1)+(m+2)+\cdots+(m+k)}_{\text{$k$ 個}}\\
&=\frac{(m-k)+(m+k)}{2}(2k+1)=m(2k+1)=n
\end{align*}

 n の奇約数  2k+1 ごとに  m=\frac{n}{2k+1} は一意に定まるので,この表し方は 1 通りです。

以上により「 n を連続する 2 個以上の自然数の和で表す方法」は「 n の 1 より大きい奇約数」と同じだけあります。


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