3つのサイコロの目の積の確率 / 2018 一橋大学 第3問

問題概略

3 個のさいころを投げる。

(1) 出た目の積が 6 となる確率を求めよ。

(2) 出た目の積が  k となる確率が  \frac{1}{36} であるような  k をすべて求めよ。

解説の pdf も作りました。きれいなレイアウトで読みたい方はこちらをどうぞ。

drive.google.com

「目の集合→目の出方」の順に数える

すべてのサイコロを区別します。
目の出方は全部で  6^3=216 通で,これらは同様に確からしいです。

(1)について

積が 6 になる目の集合は  1,\, 1,\, 6\},  \{1,\, 2,\, 3\} の 2 つ。
どのサイコロがどの目を出すかを考えると,目の出方は  3+3!=9 通りです。求める確率は

 \frac{9}{216}=\frac{1}{24}

(2)について

基本的には(1)と同様で,「目の集合→目の出方」の順に数えますが,最初は逆算が必要です。

 \frac{1}{36}=\frac{6}{216} より目の出方は 6 通り。

 x,  y,  z を相異なる数とします。目の集合は
 \{x,\, y,\, z\},  \{x,\, x,\, y\},  x,\, x,\, x\}
の 3 パターンあって,それぞれ  3!=6, 3, 1 通りの目の出方を与えます。

6 は  3+1+1+1 \underbrace{1+1+\cdots+1}_{\text{6個}} という分割もできますが,ある数が立方数  x^3 として 2 通り以上にあらわせることはないので,目の出方が 6 通りになるのは次のどちらかのときです。

  1.  \{x,\, y,\, z\} 型で 1 通りにあらわせる
  2.  \{x,\, x,\, y\} 型で 2 通りにあらわせる
{x, y, z} 型で 1 通りのとき

 \{x,\, y,\, z\} 型は  {}_6\mathrm{C}_3=20 通りしかありません。全部書いて  k=xyz のダブリをチェックします。

f:id:variee:20211119205101p:plain

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 k=10,\, 15,\, 40,\, 90,\, 120 は条件をみたします。

{x, x, y} 型で 2 通りのとき

 \{x,\, x,\, y\} 型は  6^2=36 通りあります。これも全部書いて  k=x^2y のダブリをチェックします。

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 k=4,\, 16 は 2 通りにあらわせますが,他はダメです。

以上まとめて
 k=4,\, 10,\, 15,\, 16,\, 40,\, 90,\, 120

おまけ:プログラムを組んで計算

プログラミングありだったら(2)は楽勝ですね。
 i,  j,  k で 3 重にループさせて  ijk の登場回数を調べるだけです。

mathematica は関数型言語でループ処理は苦手なのですが,それでも 0.0006 秒でした。

    In[]:= AbsoluteTiming[
        a = ConstantArray[0, 6^3];
        For[i = 1, i <= 6, i++,
         For[j = 1, j <= 6, j++,
          For[k = 1, k <= 6, k++,
           a[[i*j*k]]++]]];
        ans = Last@Reap@Do[If[a[[i]] == 6, Sow@i], {i, 1, 6^3}]]
       
    Out[]= {0.0006358, {{4, 10, 15, 16, 40, 90, 120}}}

関数型言語らしく書くと 0.0002 秒で答えが出ます。

    In[]:= AbsoluteTiming[
        lst = Tuples[Range@6, 3];
        ans = First /@ Select[Tally[Times @@ # & /@ lst], Last@# == 6 &]]
       
    Out[]= {0.0002293, {4, 10, 15, 16, 40, 90, 120}}


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