数学塾variée@吉祥寺

数学塾の中の人の日記

『数学受験術指南』(森毅)

森毅さんの『数学受験術指南』を読みました。

数学受験術指南 (中公新書 (607))

数学受験術指南 (中公新書 (607))

この本はタイトルこそ「受験術」「指南」ですが,ハウツー本ではなく,エッセイ集です。初版が出たのは1981年。私が高校生~大学生だったころは結構読まれていたような気がしますが,今はどうなんでしょうか。

受験をとうの昔に終えた身が読むと首肯できることばかりなのですが,当の受験生が読むと「そうはいっても……」「具体的にはどうすれば……」と感じることが多いかもしれません。実効性・即効性はありませんが,示唆に富んだ本です。

高校時代に読んだときに一番印象に残ったのは「集中して勉強しろ」というくだりです。

受験勉強を時間ではかるな。映画だって二本立てではくたびれる。何時間も机に向かったって,どうということない。それは「勤務時間」を消化しているようなものだ。

入試本番との関係なら,むしろ,短時間に集中する訓練をしておいたほうがよい。(p.8)

当時の私はこれを読んで「映画を1本見ればそれなりに疲れるのに,机に2時間向かっても疲れない。集中の度合いが足りないってこと?」と思い,集中して勉強することを意識しました。ただ,これって誤読してますねw

答案の書き方についても参考になりました。

  • 書かんでもええことばかり書いてあって,書いてほしいことは書いていない。(p.22)
  • 答案というものは,採点者がその解答の筋をたどりやすいように書く,というのは鉄則だろう。なにより,それは他人に読ますものだ。自分のために書く日記ではないのだ。(中略)コミュニケーションの用をなさなくては,いくら自分はわかってると主張しても,仕方がない。(p.98)
  • おおまかな言い方をすると,採点者の減点のポイントになるようなところは書かねばならぬが,どうころんでも関係なさそうなところは書かなくてよい。(p.104)

これらは計算ばかりだらだら書く生徒を指導するときの元ネタとしていまだに利用しています。