問題概略
実数から実数への関数 は次の不等式をみたす。
(cは定数)であることを証明せよ。
解説の pdf も作りました。きれいなレイアウトで読みたい方はこちらをどうぞ。
どんどん置き換え
答えが与えられている珍しい問題です。
ご厚意に甘えて とおきます。
より
\begin{align*}
&\left|\, g(x+y)+\frac{x+y}{2}-g(x-y)-\frac{x-y}{2}-y \,\right|\leqq y^2\\
&\Leftrightarrow |\, g(x+y) -g(x-y) \,|\leqq y^2
\end{align*}
, とおきます。
ここから を導けば終わりです。
早稲田の類題
(1 )から定数関数を導く問題は早稲田が出しています。
相異なる任意の実数 , に対して,不等式
をみたす関数 がある。
このとき, にとり,いったん を固定する。
そして , でつくられる区間を 等分し, が定数関数であることを示せ。1998 早稲田大学・政治経済学部 第 2 問
同じ方法で今回の問題も解けるはずですが,この方針は自分には不自然なので微分で解きます。
を固定して と置き換えます。
で割ると
としてハサミウチの原理を使います。
これが任意の実数 で成立するので は定数関数です。証明終わり。
ノーヒントなら?
ノーヒントでも解けます。
最初の式で , とおいて整理していきます。
\begin{align*}
&\left|\, f(a)-f(b)-\frac{a-b}{2}\,\right|\leqq \left(\frac{a-b}{2}\right)^2\\
&\Leftrightarrow -\left(\frac{a-b}{2}\right)^2\leqq f(a)-f(b)-\frac{a-b}{2}\leqq \left(\frac{a-b}{2}\right)^2\\
&\Leftrightarrow \frac{a-b}{2}-\left(\frac{a-b}{2}\right)^2\leqq f(a)-f(b)\leqq \frac{a-b}{2}+\left(\frac{a-b}{2}\right)^2
\end{align*}
ヒントありの場合と同様に を固定して と置き換えます。
で割ると
としてハサミウチの原理を使うと
同様に も言えるので,任意の実数 に対して です。