特定の場合を考えて◯倍(2015 東京学芸大学附属高校)

問題概略

1, 2, 3 の数字が 1 つずつ書かれた 3 枚のカードの組を A, B, C の 3 人がそれぞれ 1 つずつ持っている。

3 人が同時にカードを 1 枚出すとき,出されたカードのうちの 2 枚だけが同じ数字の書かれたカードである確率を求めなさい。
ただし,3 人がどのカードを出すことも同様に確からしいとする。

解説の pdf も作りました。きれいなレイアウトで読みたい方はこちらをどうぞ。

drive.google.com

特定の場合を考えて◯倍

こういう対称性の高い問題では「特定の場合を考えて◯倍」が使えます。
A, B, C のカードが順に 1, 1, 2 の場合を考えます。
この確率は  \left(\frac{1}{3}\right)^3=\frac{1}{27} です。

次に対称性を考えます。

  • どの 2 人が一致するかが  {}_3\mathrm{C}_{2}=3 通り
  • どのカードが一致するかが 3 通り
  • 一致しないカードの選び方が 2 通り

求める確率はこれらの積です。

 \frac{1}{27}\cdot 3\cdot 3\cdot 2=\frac{2}{3}

余事象を考える

余事象は「3 人とも同じ(3 通り)」「3 人がバラバラ( 3!=6 通り)」の計 9 通りです。

カードの出し方は全部で  3^3=27 通りなので,求める確率は

 1-\frac{9}{27}=\frac{2}{3}

実はジャンケンと同じ

3 枚のカードはグー,チョキ,パーと対応づけできて,この問題は
「3 人でジャンケンするとき,1 人または 2 人勝つ確率を求めよ」と同じです。

「誰がどの手で勝つか」に注目すると解けます。

 \frac{{}_3\mathrm{C}_{1}\cdot 3+{}_3\mathrm{C}_{2}\cdot 3}{3^3}=\frac{2}{3}


variee.hatenablog.com