数学塾variée@吉祥寺

数学塾の中の人の日記

東京医科大学の数学

ここ何日かは東京医科大学の過去問の解答を作っていました。約15年分目を通した中で一番難しかったのは1999年の第2問です。

すべての正の数 x に対して不等式 {(1+x)^{123}>(1+2x)^n}が成り立つような整数 n の最大値は(  )である。

「log をとって微分→最小値が正」とすると多分解けません。ここはパラメータ分離から入ります。

{ \displaystyle \dfrac{123}{n}>\dfrac{\log(1+2x)}{\log(1+x)}\tag{1}}

右辺を微分し,分子だけとり出してもう一度微分,で減少関数であることがわかります。(1)がすべての正数 x で成立する条件は

{ \displaystyle \dfrac{123}{n}\geqq \lim_{x\to +0} \dfrac{\log(1+2x)}{\log(1+x)}\tag{2}}

この極限は微分係数の定義を使って求めます。 {f(x)=\log(1+x),\, g(x)=\log(1+2x)} とおくと

{ \displaystyle \dfrac{\log(1+2x)}{\log(1+x)}
=\dfrac{g(x)}{f(x)}=\dfrac{\dfrac{g(x)-g(0)}{x-0}}{\dfrac{f(x)-f(0)}{x-0}}\to\dfrac{g'(0)}{f'(0)}=2\quad (x\to +0)\tag{3}}

 {\dfrac{123}{n}\geqq 2} を解いて,答えは n=61。答えを見てしまうと簡単に思えるかもしれませんが,実際に解かせると「log をとって微分」で最小値を求めようとする人や最後の極限を求められない人が多そうです。

まとめ

東京医科大学の数学は入試難易度の割に易しいが,時間制限が厳しい(60分で4問)。いかにして早く解くかがポイントです。

解法を整理し,一発で最適な解法を選べるようにする

複数の解法で解けるようにしておき,計算に入る前に手数を考える。迷っている時間や途中で方針を変える時間はありません。

穴埋め形式を生かして解く

答えの個数や形は与えられているので,それを利用する。たとえば答えが1個と分かっているときは,答えが1つ得られた時点で計算を終えるなど。

ずるく解きましょう。本当はまともに解くのが一番いいのですが,その結果解けずに落ちてしまったら,白紙で0点の人と同じ扱いになってしまいます。

ときにテクニックも必要

上の問題だとロピタルの定理がそうです。数年に一度程度の頻度で,えらくテクニカルな問題が出ます。模範解答の《参考》にも目を通して知識を増やしましょう。もっと難しい問題も解きましょう。過程は問われないので,どんどん使いましょう。


東京医科大学(医学部〈医学科〉) (2016年版大学入試シリーズ)

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全国私立大医学部10ヶ年数学入試問題

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