広中杯の問題で対数を使ってみた

2000 年に行われた第 1 回広中杯トライアル(中学生向け数学コンテストの予選)の問題を解きました。こういう問題です(表現は大幅に変えてあります)。

 2^{2000} の桁数を  a 5^{2000} の 桁数を  b として  a+b を求めよ。

 2^{2000} \times 5^{2000} = 10^{2000} を使うだろうことは見え見えで,さらに  a,  b が整数であることを使えば解けます。答えは 2001。公式解答もこのやり方でした。

先取りして高 2 範囲の対数までやっている人なら  \log をとると思ったので計算してみました。

 \log_{10}2^{2000}=2000 \log_{10}2

 \log_{10}5^{2000}=2000(1-\log_{10}2)

 a,  b はこれらの整数部分に 1 を加えたものです。 \log_{10}2= 0.3010 として計算してみましょう。

 \log_{10}2^{2000}=602.0\cdots,\, \log_{10}5^{2000}=1398.0\cdots

 a=603,  b=1399 となって和は 2002 です。正解は 2001 ですから,これは間違いです。

正しい答えを得るには  \log_{10}2=0.30103 が必要です。
こうすると  b=1398 になって正解しますが,この精度で近似値をおぼえている人はいないだろうと思います。

本問は下手に高校数学を知っていると間違えてしまう問題だったわけです。広中杯の出題範囲は「原則的に中学校 3 年生 1 学期範囲」とされていて,高校数学を使うことは推奨されていないわけですが,なんだかなあと思います。
後々のことを考えれば,高校数学くらい先取りした方が得だろうと思います。


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