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数学塾variée@吉祥寺

数学塾の中の人の日記

cos を辺の長さで書き直してみると……(三角関数)

京大の過去問の別解と類題を考えました。次の問題は,2005年の文系後期のものです。

問題 角 α,β,γ が α + β + γ = π, α ≧ 0,β ≧ 0,γ ≧ 0を満たすとき,



を示せ。

和積公式その他を使うのが自然ですが,「余弦定理で書き直したらどうなるのか?」と思ってやってみました。三角形ができる場合を考えて「α の対辺の長さは a」のように置きます。こうすると示すべき不等式は



となり,三角不等式から成立は明らか。後は三角形がつぶれる場合を考えれば証明完了です。因数分解にてまどるかもしれませんが,「等号が成立するのは a + b = c などの特殊な場合だろう」と見当をつければ何とかなるでしょう。

では,はじめから辺の長さを使って,かつ右辺の1をなくすとどうなるでしょうか?

問題 a, b, c は正の数であり,a + b ≧ c, b + c ≧ a, c + a ≧ b をみたす。このとき



の最大値,最小値を求めよ。

不等式条件に注目して x = b + c - a, y = c + a - b, z = a + b - c とおきます。



これを P に代入すると


最小値は xyz = 0 つまり三角形がつぶれるときの1。最大値は相加平均・相乗平均の関係から x = y = z つまり a = b = c のときの
です。原題と余弦定理による解答を紹介した次の週に,この問題を確認テストとかに出すと面白そうですね。

おまけ

三角形の辺の長さについての不等式はこの本にたくさん載っています。興味のある人はどうぞ。

Inequalities: A Mathematical Olympiad Approach

Inequalities: A Mathematical Olympiad Approach

  • 作者: Radmila Bulajich Manfrino,José Antonio Gómez Ortega,Rogelio Valdez Delgado
  • 出版社/メーカー: Birkhauser Basel
  • 発売日: 2009/09/18
  • メディア: ペーパーバック
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