数学塾variée@吉祥寺

数学塾の中の人の日記

高校入試 1対1の図形演習・数式演習

東京出版の『高校入試 1対1の図形演習』と『高校入試 1対1の数式演習』を買いました。有名な『1対1対応の演習』シリーズ(高校生用)の中学数学版の参考書です。

紙面構成は高校生用と同じ。最初に「要点のまとめ」が2ページあり,その後は1ページに例題とその類題(演習題)が1問ずつ載っています。例題を通じて得た知識を類題で使って定着させる,という構成です。

高校生用の1対1とは違って例題から難しめ。「本書の利用法」によると月刊誌のB(標準), C(発展)ランクの問題で構成されていて,同社の『Highスタンダード演習』と『日々のハイレベル演習』の中間の難易度だそうです。

本書の使い方ですが,例題はその名の通り「例題」なのですから,自分で解くことにこだわらずにさっさと解答を読んでいいと思います。今まで知らなかったことや意識していなかったことが書いてあることも多いでしょう。読んだ上で考えて,自分なりに理解すれば十分です。

そのかわり,演習題はじっくり考えましょう。例題と似てはいるけれども,ちょっと難しい問題です。例題というヒントをもとに考えればいいと思います。

そして,この本を終えたら『高校への数学』月刊誌でいろいろな問題にあたったり,志望校の過去問に進んだりすることをおすすめします。


高校入試1対1の数式演習 (高校への数学)

高校入試1対1の数式演習 (高校への数学)

高校入試1対1の図形演習 (高校への数学)

高校入試1対1の図形演習 (高校への数学)

正992角形から正多角形を作る(算数チャレンジ 992)

正992角形があります。この正992角形の992個の頂点からいくつかを選んで正多角形を作ることにすると,何通り作ることができるでしょうか。ただし,合同な正多角形であっても異なる頂点を選んでできたものは別々に数えるものとします。

算数チャレンジ(http://www.sansu.org )の第992回を解きました。

正992角形から正 n 角形は  \dfrac{992}{n} 個作れるので,992の3以上の約数の集合を A として答えは  \displaystyle\sum_{n\in A} \dfrac{992}{n} 個です。

これをまともに計算すると通分が大変ですが,\dfrac{992}{n} 自身も992の約数であることを使うと楽に計算できます。えらく易しい問題でした。興味のある方はpdfを御覧ください。

解いてみた042.pdf - Google ドライブ

最小のWolstenholme素数だそうだが(2016 香港TST)

 n,\, n^2+10,\, n^2-2,\, n^3+6,\, n^5+36 がすべて素数となるような自然数 n をすべて求めよ。

2016年の香港のTSTの問題です。

まずは実験して素数の出現パターンをつかみます。試験場では手計算せざるをえませんが,個人的に解く分にはMathematicaなどの数式処理ソフトを使って気軽に楽しめます。

Mathematicaを使って解いた後,手計算ではどうやるかも一応考えました。この場合,16843が素数であることを示さないと解けないのですが,チェックするべき素数は31個。受験生たちは一体どうやって解いたのか疑問が残りました。この数は最小のWolstenholme素数だそうですが……

興味のある方はpdfをどうぞ。

解いてみた046.pdf - Google ドライブ

分母はコーシー・シュワルツで処理(2016 インド 地方大会)

a, b, c は正の実数であり, \dfrac{a}{1+b}+\dfrac{b}{1+c}+\dfrac{c}{1+a}=1 をみたしている。

 abc \leqq \dfrac{1}{8} を証明せよ。

2016年のインドの地方大会(IMO選抜の1次試験)の問題です。

分母をはらうと収拾がつかなくなるので,コーシー・シュワルツの不等式を使います。
n = 2 の場合でいうと,次のようにして分母を処理できます。

 (p+q)\left(\dfrac{x}{p}+\dfrac{y}{q}\right)\geqq \left(\sqrt{p}\cdot \sqrt{\dfrac{x}{p}}+\sqrt{q}\cdot \sqrt{\dfrac{y}{q}}\right)^2=(\sqrt{x}+\sqrt{y})^2

他の地方では条件式を  \dfrac{a}{1+a}+\dfrac{b}{1+b}+\dfrac{c}{1+c}=1 に変えたものが出題されていたので,こちらの解説も書きました。興味のある方はpdfをどうぞ。

解いてみた045.pdf - Google ドライブ

約数は高々15個(2011 アルゼンチンTST)

 n(n+2)(n+4) の約数の個数が高々15個であるような自然数  n をすべて求めよ。

2011年のアルゼンチンのTSTの問題です。

素因数分解して考えます。15にはちゃんとした意味があります。
 15 < 16=(1+1)^4

 n(n+2)(n+4) が相異なる4つの素数で割りきれるとき,約数の個数は15を越えてしまいます。よって  f(n) を割り切る素数は高々3個です。3個の数をあらわすのに3つの素数しか使えないので, n の候補はかなりしぼられます。

一応,早稲田の問題が類題になっています。2004年の政治経済学部の問題です。

 n,\, n+2,\, n+4 がすべて素数であるのは  n=3 の場合だけであることを示せ。

興味のある方はこちらのpdfをどうぞ。
解いてみた044.pdf - Google ドライブ


早稲田大学数学入試問題50年―昭和31年(1956)~平成17年(2005)

早稲田大学数学入試問題50年―昭和31年(1956)~平成17年(2005)